ATACカンファレンスは「テクノロジー」と「コミュニケーション」をキーワードに,社会の中で困難さを抱える人たちを支援する技術と考え方を多くの人と共有するために1996年から毎年開催されています。教育や福祉の現場ですぐに役立つ技術や考え方を専門家が分かりやすくお話しします。
今年のテーマは「バリアフリー・コンフリクト」
障害を支援する発想の中には障害を克服し障害の無い人と同じように学び・生活するために凹を埋め,凸を削るという考えが根強くあります。しかし,そもそも人には違いがあるのが当たり前であり,凸凹の無い人はいないと考えられます。それを無理に埋めることで突出した能力の芽を摘んでしまう可能性もあります。凸凹した個性的な人たちがのびのびと生きられる社会とはどんなものでしょうか?
もちろん凸凹に生きにくさを感じている人に対しては医学的治療や工学的機能代替などで凸凹を埋めることも必要です。ロボット,スマートフォン,タブレットPC,SNSなど新しいテクノロジーが身近なものとして生活の中に浸透して来ており,遺伝子治療や神経再生治療など医療技術も大きく進歩しています。これらの技術の適用によりバリアが解消される一方で,社会に様々なコンフリクト(衝突)が生まれる可能性もあります。例えば,タブレットPCを使って文字が書けるようになった子どもの周りには,教室にタブレットの持ち込みを認めて良いか,入試でタブレットPC利用を認めるべきかなど様々なコンフリクトが生じています。我々はこのようなコンフリクトの中で技術とどのように付き合っていけばいいのでしょうか?
ATACカンファレンス初日は,テクノロジー・コミュニケーション・障害に関する様々なトピックについて,現場の話を聞いて,機器に触れて,体験して学んで頂くと同時に,夕方は立場の違う人たちが対峙する構図の中で議論を行い,参加者の方々にも教育や福祉の問題を意識化して頂きます。
2日目は,初日で浮かび上がった様々なコンフリクトをどのように解消していくべきかについて,医学・工学・社会学・心理学など様々な立場の研究者が問題点を整理し,新しい教育や福祉のみならずこれからの社会のありかたについて最後に論じてみます。
このカンファレンスでは,障害支援の様々技術だけでなく,障害理解や特別支援教育や福祉制度も含めて新しい流れを正しく理解していただけると思います。
*ATACカンファレンス2013は従来通り京都国際会館で12月13-15日に開催されます。
>>ATAC開催案内(PDFファイル 492KB)のダウンロード
>>ATAC当日配布用プログラム(PDFファイル 2MB)のダウンロード
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