ATACカンファレンス2016 京都

augmentative telent & acceptable Community Conference 2016 in kyoto

「ATACカンファレンス2016京都」は終了いたしました。多数のご参加誠にありがとうございました。

開催内容

 ATACカンファレンスは「テクノロジー」と「コミュニケーション」をキーワードに,社会の中で困難さを抱える人たちを支援する技術と考え方を多くの人と共有するために1996年から毎年開催されています。教育や福祉の現場ですぐに役立つ技術や考え方を専門家が分かりやすくお話しします。

 

 増え続ける選択肢に反し,生きにくさが増す時代です。加速し変化する社会に合わせるため能力を高める努力が求められますが,人の努力には限界があります。今こそテクノロジーのチカラ,人のチカラ,社会のチカラを組み合わせて生きて行くことを学ぶ必要があります。ATACカンファレンスはそれを支える会です。

 

 1996年にスタートして以来,ATACカンファレンスは支援技術(AT: Assistive Technology)とコミュニケーション技術(AC:Augmentative Communication)をキーワードに,様々な技術を伝達することで障害のある人の生活を変えるべきカンファレンスを実施してきました。その当時,この新しい考えを巻き起こそうと奮起してきた始まりは,人の「学ぶ・働く・暮らす」事に本来興味があったからこそです。それに付随する技術であるATやAACを伝達し,この20年間で様々な技術の知識は広がりました。しかし,技術を前面に出すと多くの人はその知識の習得に満足してしまいます。まだ,その技術を活用して幸せに学び働き暮らす生き方の創造・社会の意識の変革・制度の整備のレベルまで達していません。この次のステップに進むことこそ,これからの私たちに必要なチカラだと考えます。
  そして,これらのATACで提供してきた技術や思想は,生き辛さを増す現代社会で全ての人が活用出来るはずです。障害のある人だけでなく,これまで支援に関わってきた人,社会で何かしら悩みを抱える人,組織で人を束ねる人までをも含め,全ての人の生き方をトータルに考える時期であるとも言えます。時を同じくしてiPS細胞やロボット等の我々をエンハンスメント(能力増強)する技術の発展が躍進を遂げています。エンハンスメント(能力増強)を我々はどうとらえるべきか,またそれを前提として学び・働き・暮らすための学校や会社はどのようにあるべきかを議論する時期に来ています。
  そこで,2015年度から,ATACカンファレンスは以下のキーワードをもって新しい活動を開始しています。

    A: Augmentative(拡大)
    T: Talent(能力)
    A: Acceptable(受容)
    C: Community(コミュニティ)

 その一方でまだ十分な技術が確立されてなく,生活に大きな困難を抱える人たちの支援をATACが失ったわけではありません。今まで通りAT(Assistive Technology)とAAC(Augmentative and Alternative Communication)という柱も重要であり,これまで大切にしてきた課題にもATACカンファレンスが引き続き挑戦する姿勢は変わりません。

 ATACカンファレンスは,教室の中,会社の中,施設の中,グループの中でどうしていいのか悩む人たちにとって有用な考え方や技術,また様々な情報を提供できる会であり,多くの方々にお役に立てると信じています。講演・展示・セミナー・研究や実践発表を通じて多くのことを学んで下さい。

 

 

今年のテーマ 「デザインする」

今年のATACカンファレンスは,以下の3つの柱のもと,12月9〜11日の3日間行なわれます。
 (1)実践研究を通じて,日々の取り組みを考える,Academic Day。
 (2)皆で集まりこれからの社会を議論し,整理する,Gathering Day。
 (3)実用的な知識や考えを身につける,Practical Day。

従来初日に行われていたプリカンファレンスは,Practical Dayとして日曜日に実施し,多くの人に参加して頂けるようにします。

代わって金曜日はAcademic Dayとして学術的な発表・研修の機会にしていきます。

土曜日は様々な分野の人が集い,心を刺激する話を聞いて議論するGathering Day。

それぞれ自分のニーズに合った日を選んでご参加下さい。

 

 「デザイン(設計)」は,物に対しても,人に対しても,組織や社会に対しても幅広く当てはまる考え方や実践のあり方です。ところが,意匠デザインや造形デザインなど物に対するデザインを意識する事はあっても,人や組織をデザインするといった議論は普段の生活の中であまり聞きません。 
 物に対するデザインは比較的自由です。一方,人に対するデザイン(教育・リハビリテーション)は1つの方向性を持っています。多くの人と同じ事が出来るようにすることが教育であり,その事が将来の生き易さに結びつくと考えられています。人々が属する社会や組織は法律や制度によって決められており,その社会や組織をもう一度デザインし直す事は容易ではありません。そこで多くの人は,社会や制度を変えようとするよりも人をデザインする方が容易だと考えるでしょう。
 しかし,全ての人を同じ方向にデザインすることは出来ません。テクノロジーで補償しても,医療技術で治療しても,それは困難です。仮に可能になったとしてもその行為は多様性を奪い,同じグループの中での競争をさらに激化させていくだけでしょう。これまでデザインされてきた人も,その個性を隠し,ストレスを感じながら生きているに違いありません。それが社会性であり常識であると誰もが信じて疑いませんが,人をデザインするプロセスの中でどんどん人間らしさが失われていくように感じます。
 人の個性や認知特性を活かしながら学べる・暮らせる・働ける場とは何かについて,今年のATACカンファレンスは「デザイン」という言葉を切り口に議論してみたいと思います。


 

pdf ATAC2016プログラム(当日配布用)(PDF:3.47MB)  

pdf ATACご案内(開催案内 2ページ)(PDF:218KB)


[日時]
2016年12月09日(金)〜 12月11日(日)
 
 12月09日(金) Academic Day
  9:30−16:40(9:00受付開始)
 
 12月10日(土) Gathering Day
  9:20−16:30(9:00受付開始)
  17:00−18:30(イブニングセッション)
 
 12月11日(日) Practical Day
  9:00−16:00(8:30受付開始)
 
[場所]
国立京都国際会館
〒606-0001 京都市左京区宝ヶ池
[主催]
ATAC,株式会社 atacLab
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