ATACカンファレンス 2019 京都

一般発表

プログラム | 12月7日(土) Gathering Day ポスター発表     9:30 – 16:30(9:00受付開始)

12月6日 ATAC特別セミナー・FIKAカンファレンス | 12月7日 Gathering Day | 12月8日 Practical Day


ポスター発表

発表タイトル 発表者名 要旨
1 支援学校(肢体不自由)におけるxR技術を活用した自立活動及び授業の取り組み
馬渕 哲哉(大阪府立岸和田支援学校)
近年xR(AR,MR,VR等の総称)技術の急速な発展により、様々な技術がタブレット端末やスマート・フォン等でも手軽に利用できるようになってきた。これら既に身の廻りにあるテクノロジー“アルテク”を利用し、授業実践に取り組んで「よりわかりやすく、かつ主体的な学び」をめざした。事例として、VRやクロマキー合成の事例を示した。
2 GoogleスプレッドシートとGoogle Formを使って、障害のある子どもたちの体調を管理する提案
日置 晋平(大阪府立交野支援学校)
重度重複障害のある児童生徒の家族や支援者は、児童生徒の体調変化を日々、記録することが求められます。現在は手書きでの記録が多く、積み上げられた膨大なデーターを解析するにはP Cなどに改めて入力しなくてはなりません。記録を直接オンラインで入力でき、関わる支援者が共有できる方法を考えてみました。この方法の利点は、プログラミングなどの知識が必要ないこと、そして無料でできることです。
3 重い障害のある肢体不自由児の因果関係理解を促す教材アプリの開発
鈴木 章裕(横浜市立上菅田特別支援学校)
障害が重い肢体不自由児の因果関係の理解を促す指導でのICT活用においては、特にシンプルテクノロジーと呼ばれる単機能で入出力の関係性が分かりやすい機器を活用することが多い。だが、写真・動画の活用や操作履歴の記録、ラッチ動作など、用途によってはタブレット端末の方がシンプルに学習環境を準備できる場合もある。そのような視点で開発したiOSアプリ『ぼいすぶっく』について報告する。
4 「生活自立教育支援アプリケーション(LISEアプリ)」の開発
中川 宣子(京都教育大学附属特別支援学校 教師)
本研究は,「生活自立教育支援アプリケーション(Life Independent; and Support Education application 以下LISEアプリ)」を研究,開発することにより,児童生徒の生活自立のための教育支援をより効果的,効率的に行うための教育支援連携システムを構築することである。「LISEアプリ」とは,学習指導要領に基づいて学校学習と家庭学習の記録をデータ化し,子供の学習達成度アセスメント,学習履歴,学習特性を可視化できるアプリである。
5 出前授業で製作したスイッチ類とその実践例の紹介
舩木 英岳(舞鶴高専電気情報工学科)
特別支援学校教員は支援機器活用に対する関心が高いが、多くの教員は電子工作の知識・経験が乏しいため、支援機器の開発や製作が困難である。本取り組みは、「特別支援学校教員に対してモノづくり力向上を図る出前授業を実施する」ことで、教員が支援機器を製作し、「十分な機器の確保」、「故障時のメンテナンス技術習得」を目的としている。ポスター発表では、これまでの出前授業で製作したスイッチ類の紹介と実践例を展示する。
6 肢体不自由のある子ども達のためのシステムの開発(4) -リードスイッチの活用 その2-
杉浦 徹(国立特別支援教育総合研究所)
いわゆる肢体不自由のある児童生徒へのAACを活用した支援は数多く報告されるようになった。本研究では、リードスイッチを活用した操作スイッチを試作した。この操作スイッチは、動かしたいものやおもちゃに直接取り付け、利用者が直接触れることで操作可能になる仕組みである。それ故、自発的な動きが少なかったり、直接的にものに触れる経験の少なかったりする障害の重い児童生徒が自らの動きとその結果の因果関係に気づく可能性を高められると考えられる。参会者に実際に操作を体験してもらい、広く意見交換を行うことも本発表の目的としている。
7 モーションセンサーを使った人口呼吸器を有する成人女性に対する支援の導入
田中 紀行(大阪府立交野支援学校)
特別支援学校(肢体不自由)を中心に障害の重度・重複化が進む一方で、若い教員が増え、医療的ケアを必要とする重度重複児に対して身体の変化など客観性がなく評価することが難しいといった実態がある。
本研究では、人口呼吸器を有する成人女性に対して身体の取り組み(動作法)を実践した。身体の動きの変化をICT機器で客観的に評価し、表情の変化や椅子座位姿勢の変化を記録することをねらいとした。
8 視線入力評価ツールによる客観評価手法の研究
長井 祥悟(島根大学大学院 自然科学研究科)
視線入力の特長として、従来の入力方法と比較したとき入力効率がいいことが挙げられるが、非接触な入力方法のため、操作が困難な傾向がある。
そのため視線入力による操作を訓練することが重要となってくるが、現状、訓練効果は主観的な評価方法でのみ評価可能である。
そこで我々は視線入力による操作を客観的に評価するアプリを開発した。
このアプリを用いることでより効率的な訓練を行うことが出来ると考えられる。
9 施設入所者に対してIT機器を用いた作業療法
原田 航輔(医療福祉センター聖ヨゼフ園)
当園で過ごす利用者の以前までの生活の様子として、余暇活動を自分で選択できない事が課題にあがっていた。しかしIT機器を使う事により日々の余暇活動を自分で選択し、自立して過ごす事が出来るようになった。またその自立したIT機器操作の為に、作業療法の視点から個々の利用者に合わせた環境面への工夫を行った。それらの環境面の工夫の紹介とともに、「どうIT機器が利用者の生活に変化をもたらしたのか」について報告する。
10 VOCA導入後より音声言語を獲得した2事例の報告~汎用コミュニケーション支援WebシステムVCANを用いたコミュニケーション支援~
長谷川 史弥(白美会白根大通病院小児言語リハビリテーション外来)
言語聴覚療法の中で、表出言語に著しい遅れがある場合には、VOCA等の新たなコミュニケーション手段を導入しながら、音声言語の獲得と向上を目指している。しかし、VOCAを使うと喋らなくなるのではないかという声は耳にする。発表者はVOCA導入後に音声言語獲得に至った症例を2事例経験した。VOCAを導入し音声言語が無い児でもコミュニケーションが可能となり、意欲も向上した。コミュニケーション意欲が向上すると、音声言語も伸びると考えている。
11 汎用コミュニケーション支援システムVCANのエディタ機能の拡張
杉山 陽菜子(新潟大学大学院 自然科学研究科 林研究室)
われわれは,言語・コミュニケーションに問題をもつ子どもの支援を目的として,1台で柔軟に対応できる汎用コミュニケーション支援システムVCANを開発してきた.このシステムは,Web上で構造を編集でき,頻出する構造が2種類ある.その編集作業が単調作業の繰り返しのため,システムの使用性を低下させていた.今回,その作業の効率化を含む3つの機能拡張をし,使用性を評価した結果,7段階中5段階目の「良い」と総合評価された.
12 発達障がい児のための楽しく学ぶ療育・教育ソフトの開発
小林 誠悟(島根大学大学院 自然科学研究科)
我々は,発達障がい児の認知特性に合わせた学習支援に関する研究を行っており,学習に対して拒否感を示す児童でも意欲的に訓練に取り組めるように,ゲーム形式の訓練ソフトの開発を行っている.本発表では,我々が開発した文字の読み書き,算数・数学,注意機能および英単語の綴り訓練ソフト等を体験していただくと同時に,各ソフトに込められたねらいや工夫についても説明する.加えて,ソフトに対するご意見,ご要望をいただきたいと考えている.

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