Pre-Night Conference

未来の教育を学ぶ

日時:12月4日(金) 19:00-21:00
料金:2,000円 
定員:300名

参加申し込み

人間中心から自然中心の暮らし方・働き方を「医」「食「住」から考える

コーディネータ:中邑 賢龍(東京大学先端科学技術研究センター・教授)

人の営みはかつては自然の中にあったはずです。科学技術が発展し人間が自然をコントロールできるようになると、ノイズを排除し、均質で安全安心な社会を構築し生活を作り上げてきました。その生活がCOVID-19で大きく変わりました。その流行を科学技術至上で自然をコントロールする人間への警鐘だと主張する人がいます。人間中心に設計された社会は、効率を追求するがあまり、多様性を排除するしかありませんでした。また、人間中心な世界は、人よりも技術を信じる社会だったと言えます。AIやロボットも、利用の仕方によっては新たな課題を生み出す危険性を秘めています。

もっとおおらかで自然の持つ包容力も合わせて活用する社会こそが、インクルーシブな、また、ダイバーシティを認める社会である気がします。大震災やコロナ禍を体験し、自然に打ち勝つことの難しさを知った今、どのような暮らし方・働き方を指向すればいいのでしょうか?医療・食事・建築という3つの異なるトピックスからこのテーマについて考えてみます。ニュー・ノーマルな時代に向けて、新しい生き方を考えるきっかけにして下さい。

(1)子育ての自然中心とは? NICUにおけるファミリー中心ケアという考え方

 講師:小田 新(長野県立こども病院・新生児科副部長)

未熟児で生まれた子どもたちはNICUの中で管理され育っていきます。今や日本の未熟児の生存率は世界トップクラスに達しています。一方、その中で成長する親子に不自然さを感じる医師もいます。どんな子どもも可能な限り家族の中で育つ事が自然ではないかという考えからフィンランドを中心に広がりをみせるFCC (Family Centered Care)というアプローチを論じます。

(2)食の自然中心とは?  北海道白老町で鮭を食しアイヌの暮らしを考えてみた

講師:土井 善晴(東京大学先端科学技術研究センター・客員研究員/食事学研究者)

我々の食卓に並ぶ料理。調理方法も食べ方も工夫されていますが、本来、人が食事をする姿からはかけ離れてしまっていることを意識する人は多くありません。食事学研究の土井善晴氏が、北海道白老町で鮭を求め、山で調理して食べるという体験から、枠にはまった現代の食事と人間本来の食のあり方について論じます。

(3)公共デザインの自然中心とは? パラリンピックと公共デザイン研究

講師:千葉 学(東京大学工学系研究科教授・建築学)・髙木 基(コピーライター)

東京の街は、オリンピック・パラリンピックを通じて高齢者、障害者、外国人を優しく包含するインクルーシブな環境を目指しています。しかし、ここまで行なわれてきた公共のアクセシビリティの確保は、個別のニーズに無理やり合わせようとするところがあり様々な歪みも生んでいます。制度や法律に縛られない緩やかな公共デザインを論じます。