ATAC カンファレンス 2018 京都

Gathering Day :「30年前の未来が現実に」

2018年12月15日(土) Gathering Day 9:30-10:30     Annex2
 「30年前の未来が現実に ~個の拡張から社会の拡張へ~」

講師:中邑 賢龍東京大学先端科学技術研究センター 教授)

パソコンやインターネットが普及し始めてワクワクした30年前。当時は携帯電話もなく人々はテレホンカードを使って公衆電話で電話をかけ,文章はまだファックスで送る時代でした。カメラもデジタルではなくフィルムを現像し,焼き増ししてみんなで共有するのが当たり前でした。

約30年前(1989年)にAlan Brightmanの描いたChapter Oneという映像を見てみましょう。その中では,音声認識が普及し,スマートTVや携帯電話を駆使してカッコ良く生活する障害のある人たちが描かれています。

それが今では,30年前に夢だと考えられていたこれらの技術が実用化されています。スマホやタブレットでテレビ電話をかけたり,音声認識機能を使ってメールを打ったりすることは,多くの人が体験したことがあるでしょう。技術はさらに,個人のレベルだけではなく,社会システムも変えています。クラウドにある膨大なデータを利用して行うサービスも広がっています。モバイル決済やライドシェアなどの新しい社会活動は,日本よりも新興国において早い広がりを見せています。これらの技術は障害のある人の生活をも変えています。

日本では,それを自分とは無縁と考える人も多く,教育や福祉の環境も変化はゆっくりです。今の状態が安定していれば新しい技術は不要かもしれません。教育やリハビリによらずとも便利で快適な生活を得ることは良くないと考える人もいます。その一方で,社会インフラの整備は速いスピードで進んでいます。教育や福祉がガラパゴス化してはいけないと思います。

このような技術についてゲスト専門家の解説と企業によるデモを見ながら,教育や福祉の未来をイメージしてみましょう。